オロナインとメンソレータム



オロナミンとオロナインの関係は?

掲示板の話題から・・・

時限 オロナミンCって大塚製薬だったよね?大塚といえばオロナイン軟膏も。両者に共通している「オロ」って何?

化猫 調べました。たしかに2つとも大塚ブランドでした。

その歴史は・・・

1953年 オロナイン軟膏発売
1964年 大塚製薬を設立
1965年 オロナミンCドリンク発売

オロナインの由来ですが、「1953年に、アメリカのオロナイトケミカル社が開発した殺菌消毒剤の原液を軟膏に商品化し、オロナイン軟膏を発売しました。現在は、主成分であるヒビテン(グルコン酸クロルヘキシジン)の頭文字のHをとってオロナインH軟膏となりました。」また、オロナミンは、「当時大塚製薬の看板商品であったオロナイン軟膏とビタミンCを豊富に含んでいることを踏まえて、つけました」と説明しています。(同社のサイト参照)なんとオロナインとオロナミンは兄弟だった・・・

無頼庵飯野 オロナイト(Oronite Chemical Company)ですが、オロナイト・ジャパン・リミテッドなる会社が日本に存在します。

http://www.chemical-metal.co.jp/jcs/company/O/O040.html

オロナインはメンソレータムを目指した!

企業人・大塚正士のサイトによると、1952年、大塚製薬の社長大塚正士氏は、米国オロナイト・ケミカル社の殺菌剤を軟膏にして販売することを発案。徳島の大学教授に研究委託して、わずか1年で製品化したという。大塚社長はメンソレータムのような大衆軟膏を目指していたようだ。その販売作戦がスサマジイ。看護婦をターゲットに「ミス・ナース・コンテスト」を実施。大阪の遊郭でのサンプリング。さらに1億円もの大金を投じて全国の児童への無料配布。ターゲットセグメント、ミスコン、大規模サンプリング・・・セールスプロモーションの教科書のようなこれらの地上戦は「大塚商法」とも呼ばれ、後の「ボンカレー」ブームの基盤をつくっていく。

大塚正士語録「最高の宣伝は現物の使用。たった一回の使用でも十回の宣伝より効果がある」(同サイトより)

メンソレータムとメンタームの関係は?

ここで、メンソレータムって外資系?メンタームと違うの?という新たな謎が浮上。KDDIDOでおなじみのプラモ梅木さんから、こんな情報を得る。

「1905年から1974年にかけて、メンソレータムはメンタームの近江兄弟社が米メンソレータム社から販売権を取得し、販売していたそうです。ところが近江兄弟社の問屋頼りの体質が業績悪化を招き1974年のクリスマスイブの日、ついに倒産してしまったそうです。そこで近江兄弟社は、再建を図るべく、メンソレータムの販売権を泣く泣くメンソレータム社へ返還。リトルナースの商標まで売ってしまったそうです。こうして75年に、ロート製薬がメンソレータム社から販売権を取得。ついでにリトルナースも手に入れました。さらには88年、ロートはメンソレータム社を吸収し、事実上、完全にメンソレータムをロートのものとしたのです。さて、その後の近江はどうなったでしょう?大鵬薬品の資本参加などで再建を図り、かつてのライセンス生産時代の設備を利用して、「メンターム」を発売しました。あのキャラはメンタームキッドと言って、ギリシャ神話のアポロがモチーフだそうです。」

メンソレータムの躍進とオロナイン軟膏の追従、そしてメンタームの隠された過去・・・日本の軟膏史は、おそるべき闇におおいつくされていた!

★メンソレータム略史

メンソレータムは1894年、米国ユッカ社(メンソレータム社の前身)が開発。語源はメンソール+ワセリン(petrolatum)。日本にメンソレータムを伝えたのはウィリアム・メレル・ヴォリーズという宣教師。1905年に近江八幡で宣教活動を開始するが、その費用を捻出するために知り合いであるメンソレータム社長から日本での販売権を取得した。その後、販売権は近江兄弟社を経て、ロート製薬に移る。以降の流れはプラモ梅木さんのリポート通り。ちなみにメンソレータムのキャラクター「リトルナース」は1951年に登場。当時、世界的に人気のあった名子役シャーリー・テンプルちゃんがそのモデルだといわれている。(参考文献『ネーミング大全』実務教育出版)

ちなみに、近江兄弟社ですが、不思議の辞典によると「滋賀県の近江と人類皆兄弟の兄弟をくっつけて」近江兄弟社というネーミングになったらしい。なんと近江兄弟という人物は実在しないのだという。日本にメンソレータムを伝えた宣教師ヴォリーズの布教活動と関係があるのだろうか?

封印された?近江兄弟社の暗黒史

プラモ梅木さんからの続報。「メンタームですが、近江兄弟社の沿革を読むと、メンタームに関する記述にところどころ矛盾がみられます。たとえば「1944年2月 メンターム発売」となっており(これは嘘です)、これ以後に発売された商品は全てメンタームブランドで統一されていないのにもかかわらず、74年以降はなぜか統一されてます。74年のメンターム発売に合わせて統一したのではないかと考えられます。さらに調査を進めた結果、メンタームブランドそのものは1944年には存在していなかったということも判明しました」

追加情報!

近江兄弟社のHPによると、戦前からメンタームを販売していたようです。また、近江社の設立は、1910年、ヴォーリスという外国人と二人の日本人が設立した会社とのことです。日本人は兄弟ではないようです。(あかさたなさん)

ロート製薬のHPによるとプラモ梅木さんのおっしゃるとおり、1974年に米国メンソレータム社から、メンソレータムの使用権を獲得、88年6月にメンソレータム社を買収しています。まさに「納屋を貸して母屋を取られる」と言うことわざのとおりのことが起こったようでうす。(あかさたなさん)

◎近江兄弟社の兄弟というのは、キリスト教の信者同士で○○兄弟と呼び合う習慣から来たものだと思いますよ。神の下に皆兄弟という発想です。ちなみに修道女をシスターって言いますよね。あれと同じです。(匿名さん)