「20世紀末」オカルトグッズの極点
20世紀末ニッポンを象徴する商品といえば、まちがえなく水晶やペンダントなどのオカルトパワー・グッズなのではないか。経営コンサルタントの船井幸雄氏が「人間の研究」という著書を出版していらい、これらの商品たちは物陰からいっきに陽のあたる店頭に引っぱり出されてしまった。そのパワーたるや、まさに絶倫のインパクトをもって、明治期いらいの広告表現の自由(勝手)を復権させてくれたのだ。ペンダント系、その他(販売社名は匿名とさせていただきます)
カルマクリーナー 身につけただけで前世のカルマを浄化してくれる便利なペンダントらしい。 ギャンブルファイター ギャンブルに勝つだけではなくプロの予想屋にもなれる強運ペンダントだよ。 バンク・コントローラー なんと!銀行をコントロールしタナボタ式に大金をゲット。億万長者量産機。 龍神の涙 「豪運が炸裂する阿修羅級の功徳兵器」らしい。原理不明。 チャクラ・オープナー チャクラが開き、スプーン曲げや瞬間移動も思いのまま。超人開発装置。 Pハッカー 「確立論を超え、パチンコ台にとけこみ大当たりの台にしてしまう効果」あり。 部分軌道爆撃系人口精霊 「あなたの命令に従う霊的ロボット・霊的ミサイル」。で、なにに使うの? アストラル・ダイアグラム 「仁侠妖術ここに極まる!」「量子力学がもたらす最新鋭の霊符」。目的不明。 Xジェネレーター 「冷たい惑星ウンモからの贈り物」だって。ウンモって岩じゃなかった? 妖人形 「200人以上の悪人をあの世行きにした」という恐るべき呪殺人形!! サタニッシュ・チェーン 「敵を悪霊に取り憑かせる地雷型の攻撃アイテム」なのである。 針山の流水 「亡者の血と苦しみが混ざった霊的汚水」らしい。 スゴイ!でしょ?明治時代のコピーライターも「霊界」で泣いてるよ、きっと。「こんな時代に生まれたかった」と。なにかと表現規制のうるさい広告ではあるけど、実際に、明治以来、一貫した広告表現の自由(勝手)が息づいていることを再確認し、このシリーズをいったん終了しようと思います。