国学者にして、日本初の本格的出版人。
塙保己一(はなわ ほきいち)江戸時代の国学者。7歳にして失明するも、驚異的な記憶力で数万冊の古文献を耳から暗記。日本の歴史や文学、古い法律や制度についての資料を収集し、後世の研究に役立つように、次々と文書保存を行った。中でも、代表的な事業として知られているのが『群書類従』(ぐんしょるいじゅう)である。これは、日本の政治、経済、社会の出来事などを記録し、保存するために、古典や古文書を収集、分類、校訂し、木版刷りで出版した666冊におよぶ日本最大の国書の叢書(シリーズ本)。その後の歴史、文学など学術研究に大きく貢献したばかりではなく、現代でいう情報公開制度の先駆けとしても注目されている、また、同書は日本初の大型出版事業であり、保己一はその編さん者、出版人としても高く評価されている。ちなみに、400字詰めの原稿用紙の体裁は、塙保己一が出版事業を手掛ける際に考案されたものと伝えられる。